舞台に立つ

【役作りのコツ】役作りで大切な「キャラクターシート」

役作りをする上でこれを書いておくと凄く良いものがあります。

「キャラクターシート」

人によってはサブテキストなんて言い方をしたりもします。

要するに自分の役の履歴書みたいなものです。

これを作成することで役作りの8割は出来てるようなものと言っても過言ではないと私は思っています。

今から書いていく事を実践している役者さんは少ないと思います。

でも、大きな舞台で活躍するレベルの方ならまずやっています。

これを出来る出来ないで大きな差が出ます。

では早速、どのように作成していくのか書き出していきます。

キャラクターシートで書き出していく項目

以下の項目を自分で自由に作っていきます。

もちろんいきなり全てを自由に書くというわけではありません。

台本上に記されていたり、ヒントがあったりしますので、それを頼りにしつつ、それ以外の項目は自由にという感じです。

  • 名前
  • 性別
  • 年齢
  • 誕生日(西暦、和暦も)
  • 出身地
  • 学歴・職歴
  • 住所
  • 家族構成(名前・年齢・その人が好きか嫌いか、その理由も)
  • 好きな食べ物
  • 嫌いな食べ物
  • 長所
  • 短所
  • コンプレックス
  • 現在の職業と仕事に対するモチベーション
  • 趣味
  • 嗜好品
  • 習慣
  • 信じている宗教や迷信など
  • 座右の銘
  • 好きな人のタイプ、それはなぜか
  • 既婚か、未婚か
  • 今までお付き合いした人数と名前、それぞれと性体験があるかないか
  • 他の登場人物、好きか嫌いかその理由(面識がなければ書かなくてOK)

キャラクターシートはなぜ必要?

これだけ見たら簡単に書ける人もいれば、全く書けない人もいます。

自分が話す台詞でもないのに、何でこんなものを書き出す必要があるのか?

ちゃんと理由はあります。

あなた自身が上記の質問をされたら、答えられないもの、言い換えれば「わかりません」というものはないですよね?

それはあなたが実在していて、今この瞬間まであなたの人生を歩んできたから、生きてきたからです。

あなたが演じる役も同じで

物語の世界の中で生きています。

今まで人生を送ってきた中で得た価値観や考え方、好き嫌いがあるはずなんです。

そこで初めのうちにキャラクタシートを作成することによって、

その役=キャラクター=人間を作成していくのです。

言い換えればそれが「役作り」になるからです。

だから必要なんです。

作成したものは覚えておこう

大体、書き終わって満足してしまったりします。

気持ちはわかります。

だってこれ作るだけでも相当大変ですから。

でも可能な限り、頭に入れておいてください。

役を演じるという事は、その人に「なる」ということ。

あなたは自分の誕生日を聞かれたらメモを見てから答えますか?

何も見ないで答えられますよね。

だから同じように答えられるように覚えておくことが重要なんです。

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大きな仕事に繋がる可能性も

とある俳優Aさんのお話です。

Aさんは江戸時代物の大きな舞台で台詞もない脇役、その他大勢という形で出演していました。

ある日、その台詞もない人達全員、一列に並べられ、

大御所俳優Bさんに質問されたそうです。

皆が皆、普通に役者としての自分の出身地を答える中

Aさんは、江戸時代のしゃべり方で「堺でございます」と言ったそうです。

そこからBさんのスイッチがいきなり即興劇のように色々聞かれましたが、

Aさんは役のまま普通に会話していたそうです。

台詞もないのにそこまで作り上げているAさんをとても気に入ったBさんは演出家にAさんの事を話し、次回作では主役に抜擢されることになりました。

そしてAさんは今では日本を代表する俳優になるまで上り詰めました。

この話聞いて、「それはAさんが特別だよ」と思うかも知れませんが、

逆を言えばキャラクターシートを作って覚えておくだけでここまで俳優人生が変わる可能性があるなら

やっておいて損はないと思います。

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キャラクターシートは究極の役作り

極論を言ってしまえばその台本=物語=世界の中で「生きて」いれば、役作りは出来ています。

その基盤となる、もっと言ってしまえば大多数を占めるキャラクターシートを作ることで初めて、物語の中で生きていく事が出来るのです。

台本上では必要ない事かも知れません。

だって台本に書かれている物語は、その役が生きている中でのほんの一部分だから。

でも見えている部分だけ演じるのは生きているとは言えません。

台詞を話していない時の何気ない仕草や行動、さらに言えば出ていない時に何をしているのか、

どんどん肉付けしていく事で役は点から線へ、線から平面に、平面から立体になっていくのです。

それこそが生きていると言えます。

簡単なことではありませんし、キャラクターシートを作成し頭に入れたから俳優として食っていけるようになるということではありません。

今はまだわからないかも知れませんし、実感できないかも知れません。

キャラクターシートを作ったことで、「あれ?」という気付きをする人もいるかも知れません。

凄く無駄に感じるかも知れません。

でもその無駄をストックしておく事が、必ずあなたを役者として成長させてくれます。

よろしかったら実践してみてください。

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